華族かぞく)” の例文
「いゝえ、掃溜よ。士族でも華族かぞくでも分家をすれば平民に降るんですから、平民はつまりすたれものゝ落ちどころでございましょう?」
脱線息子 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
主筆 じゃ華族かぞく息子むすこにおしなさい。もっとも華族ならば伯爵か子爵ですね。どう云うものか公爵や侯爵は余り小説には出て来ないようです。
或恋愛小説 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「えらい者って云うのは、何さ。たとえば華族かぞくとか金持とか云うものさ」と碌さんはすぐ様えらい者を説明してしまう。
二百十日 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
山の手の某所ぼうしょに住んでるある華族かぞくの老婦人が、非常に極端きょくたんな西洋嫌いで、何でも舶来はくらいのものやハイカラなものは、一切『西洋くさい』と言って使用しない。
平民と同格なるはすなわち下落ならんといえども、旧主人なる華族かぞくと同席して平伏へいふくせざるは昇進しょうしんなり。下落をきらわば平民に遠ざかるべし、これをむる者なし。
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)