荒削あらけづ)” の例文
恐しい勢ひで風をつた分銅が、物置の柱へ、狙ひ違はず叩き付けられると、凄じい音がして、荒削あらけづりの松の柱が、お椀型に二分ほど凹みます。
でもまだ、彼は、確かに氣難きむづかしげな容子で、大きな頭を椅子の背のふくらみにもたせかけ、荒削あらけづりの花崗岩みかげいはのやうな顏にも、大きな黒い眼にも、火の光を受けてゐた。
家の中は空つぽも同樣、鍋一つ釜一つの外に、茶碗が二つ三つ、細工場からさらつて來たらしい荒削あらけづりの板がお膳の代りで、障子には反古紙ほごがみが三重にも四重にも貼られて、眞晝も薄暗い生活です。