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草萌
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くさも
ふりがな文庫
“
草萌
(
くさも
)” の例文
ま昼の馬場いちめん、
草萌
(
くさも
)
えの
香
(
にお
)
いも手つだい、
咽
(
む
)
せるばかりな花の肉感が、そよ風のたびに、顔をなでてくる。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、
草萌
(
くさも
)
えで青み渡っている、小さな築山の前へまで来た。
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
わらじに踏む
草萌
(
くさも
)
えを楽しみながら、おちこち眺めては、ひとり自然の草木と語ってゆく一旅人がある。
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
女は、駕屋の
卑
(
いや
)
しい眼に背を向けて、淋しそうな風もなく、ひとりで深い山ふところへ向って歩み出した。風のない山蔭は、二月の
草萌
(
くさも
)
えが匂って、寒くなかった。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
昼間は、もう
草萌
(
くさも
)
えの
温
(
ぬく
)
む土、
温
(
ぬる
)
む水に、春の肌心地を感じるので、油断して、薄着のまま出てきたが、夜になると、急に
棘
(
とげ
)
のある空気が、
風邪心地
(
かぜごこち
)
の肌を
寒気立
(
さむけだ
)
てる。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
そしてその底に、
草萌
(
くさも
)
え頃の地熱にも似た誓いがどの顔にも燃えている。ずいぶん苦しい任務や内輪の
艱難
(
かんなん
)
もあるにはあるのだろうが、家中の誰にも不平や卑屈の顔が見えないのはふしきだ。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
藪蔭
(
やぶかげ
)
の
陽
(
ひ
)
はもう暖かな
草萌
(
くさも
)
えのにおいに
蒸
(
む
)
れていた。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
草
常用漢字
小1
部首:⾋
9画
萌
漢検準1級
部首:⾋
11画
“草萌”で始まる語句
草萌頃