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くさも
ふりがな文庫
“くさも”の漢字の書き方と例文
語句
割合
草萌
100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
草萌
(逆引き)
女は、駕屋の
卑
(
いや
)
しい眼に背を向けて、淋しそうな風もなく、ひとりで深い山ふところへ向って歩み出した。風のない山蔭は、二月の
草萌
(
くさも
)
えが匂って、寒くなかった。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
昼間は、もう
草萌
(
くさも
)
えの
温
(
ぬく
)
む土、
温
(
ぬる
)
む水に、春の肌心地を感じるので、油断して、薄着のまま出てきたが、夜になると、急に
棘
(
とげ
)
のある空気が、
風邪心地
(
かぜごこち
)
の肌を
寒気立
(
さむけだ
)
てる。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そしてその底に、
草萌
(
くさも
)
え頃の地熱にも似た誓いがどの顔にも燃えている。ずいぶん苦しい任務や内輪の
艱難
(
かんなん
)
もあるにはあるのだろうが、家中の誰にも不平や卑屈の顔が見えないのはふしきだ。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
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