草莱さうらい)” の例文
それさへ狐兎ことゆるに任せ草莱さうらいの埋むるに任せたる事、勿体なしとも悲しとも、申すも畏し憚りありと、心も忽ち掻き暗まされて、夢ともうつゝとも此処を何処とも今を何時とも分きがたくなり
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
かくの如き才を草莱さうらいに埋めて置かないで、下総守になり鎮守府ちんじゆふ将軍になりして其父の後をがせ、朝廷の為に用を為させた方が、才に任じ能を挙ぐる所以ゆゑんの道である、それで或は将門をすゝむる者もあり
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)