草加さうか)” の例文
尤も、場所は草加さうかで、少し遠いからわからなかつたわけで、あつしが一度見たやうに思つたのは、滿更夢ではなかつたとわかりましたよ
銭形平次捕物控:239 群盗 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
わかときことだ。いまではかまふまい、わたしてい二人ふたりで、宿場しゆくばでふられた。草加さうかあめつたのではない。四谷よつやはづれで、二人ふたりともきらはれたのである。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
狩屋さんは草加さうかの豪士の伜で、金があつて男が好いと來て居るでせう。三日に一と晩は塾を拔け出して、薄暗いうちにぼんやり歸つて來ますよ。
せきと言ひました。草加さうかの百姓午吉うまきちの子といふことで育ち、淺草に引越して、もう十年にもなります」