茶呑茶碗ちゃのみぢゃわん)” の例文
一杯の日当ひあたりで、いきなり土の上へ白木しらき卓子テエブルを一脚えた、その上には大土瓶おおどびんが一個、茶呑茶碗ちゃのみぢゃわん七個ななつ八個やつ
三尺角 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
或時尋ねると、「昨日きのうは突然差押えを喰って茶呑茶碗ちゃのみぢゃわんまで押えられてしまった、」と眉山は一生忠実に仕えた老婢ろうひに向って、「オイ阿婆ばあや何処どっかで急須きゅうすと茶碗を借りてな、」
「いいじゃないか。女房のお酌だと、かえって酒がまずくなるよ。このウイスキイは」と言いながら机の上の茶呑茶碗ちゃのみぢゃわんにウイスキイを注ぎ、「昔なら三流品なんだけど、でも、メチルではないから」
親友交歓 (新字新仮名) / 太宰治(著)
開墾地の人たちは茶呑茶碗ちゃのみぢゃわんで、酒をぐびりぐびりとあおった。彼らはそれですぐ酔っ払った。ひどく酔いが回ってくると、彼らは立ち上がって踊りだした。そして、徳利をたたき、卓を叩いて歌いだした。
恐怖城 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)