“芳郎”の読み方と例文
読み方割合
よしろう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
場末の坂路さかみちは静かで淋しかった。芳郎よしろうはその時、ミルの著書の中にある文句を頭に浮べていたが、なんかの拍子にふいと見ると、束髪そくはつに赤い花をさした令嬢風の女がじぶんさきを歩いていた。
赤い花 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
東京小石川こいしかわの某町に、葛西かさいと云って、もと幕臣であった富裕な家があって、当主の芳郎よしろうと云うのは仏蘭西フランスがえりの少壮民権家として、先輩から望みをしょくされていた。微曇うすぐもりのした風の無い日であった。
赤い花 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)