花美くわび)” の例文
勝四郎は雀部ささべに従ひて京にゆき、絹ども残りなく交易せしほどに、当時このごろ都は四三花美くわびを好むときなれば、四四よき徳とりてあづまに帰る用意はかりごとをなすに、今度このたび上杉のつはもの鎌倉の御所をおと
芸界の芸には憧れずに、たゞ、無駄を誇りとするかのやうな野卑なる、花美くわびにのみ溺れてゐた。——彼は、彼女の写真姿と実生活とを連想することが出来なかつた。彼は、テレて、傍らの字を読んだ。
小川の流れ (新字旧仮名) / 牧野信一(著)