船暈ふなよひ)” の例文
神谷の跫音が遠ざかると、千種は船暈ふなよひの用心に持つて来たアダリンを、極量の半分だけ飲んでベッドにはひつた。
双面神 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
ときどき彼が船暈ふなよひを感じてゐる人のやうな眼ざしを夫人の上に投げるのに注意するがいい。
聖家族 (旧字旧仮名) / 堀辰雄(著)
おそれはしないが、不思議ふしぎ船暈ふなよひひとよりはげしい。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)