腫瘍しゅよう)” の例文
ほどなくそれが死んで、私が解剖したのですが、どこかのハンターの流れ弾を受けたらしく、脳に傷があって、そこに腫瘍しゅようができていました
博士の目 (新字新仮名) / 山川方夫(著)
生理的腫瘍しゅよう。秋の末で、南向きの広間の前の庭に、木葉が掃いても掃いてもまる頃であった。
カズイスチカ (新字新仮名) / 森鴎外(著)
そのとしの冬、おたねが婦人科に属する腫瘍しゅようを手術するために、三週間ほど病院へはいった。
季節のない街 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
私は、肌脱ぎにさせた男の右の肩に出来た、小児の頭ほどの悪性腫瘍しゅようをながめて言った。
肉腫 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
どんな傷口も、どんなうみだらけの腫瘍しゅようも、わたくしを脅かすことはできないでしょう。わたくしは自分の手で傷所を包帯したり洗ったりして、苦しめる人々の看護婦になるでしょう。
此処ここに合葬せられている仏は、鹿島清兵衛。慶応二年生。死亡大正十二年十月十日。病名慢性腸加答児カタル。ゑ津。明治十三年十一月二十日生。死亡大正十四年四月二十二日。病名肝臓腫瘍しゅよう。大一郎。
三筋町界隈 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)