腕頸うでくび)” の例文
春も二月の末頃、その四明しめいヶ岳だけふもとに近い湖畔の宿場に、三度笠をかぶって小風呂敷を腕頸うでくびに結びつけた商人あきんどていの男が、ふらりと坂本の茶店をさし覗いて
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、玄蕃はたいを開いて、閃光を目当てに、グッと腕頸うでくびを掴んだ。千浪は必死に
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さやさやと寄って来たなまめかしい姿の影が、不意に新九郎の腕頸うでくびを握りしめた。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)