胡夷えびす)” の例文
潼関どうかんの馬超軍に、またまた、新手の敵兵が、約二万も増強されたようです。しかも今度の新手もことごとく北の精猛な胡夷えびすばかりです」
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
西涼の生れというから、胡夷えびすの血をまじえているにちがいない。その皮膚の色や髪の毛がそれを証拠だてている。すなわち、龐徳ほうとくあざなは令明。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
忽然こつぜんと、蒙古もうこ高原にあらわれて、胡夷えびすの猛兵をしたがえ、隴西ろうせい甘粛省かんしゅくしょう)の州郡をたちまちり奪って、日に日に旗を増している一軍があった。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わが蜀の馬超は、もと西涼せいりょうの生れで、胡夷えびすの間には、神威天将軍ととなえられ、今もって、盛んな声望があります。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「西涼の胡夷えびすどもは、寒さに強いし、また潼関へも引き籠れるが、味方はこの野陣のままでは、冬中吹雪にさらされておらねばならぬ。何とか、よい工夫はないか」
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
胡夷えびすの子、朝威を怖れず、どこへこうとするか。あらば出でよ、人間の道を説いてやろう」
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
南方の蛮夷ばんいへも西涼の胡夷えびすへも輸出し、蜀錦しょっきんに限っては、敵たる魏や呉へ売り出すことにも、多大な便宜を与えて、それに代るべき重要な物資をどしどし蜀内へ求めていたという事実に見ても
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)