背合せなかあわ)” の例文
親仁とっさんは、てくてくと歩み寄ると、閣翁父子の背後うしろへ、就中なかんずく、翁の尻へ、いきなり服の尻をおッつけるがごとくにして、背合せなかあわせに立った。すなわち銅像に対したのである。
時々ひげのない顔が集り合っては、どっという笑語の声がかの士官の群から起るごとに、くだんの小男はちょいちょい額を上げて其方そなたを見返るのであるが、ちょうど背合せなかあわせになってるから
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)