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肱掛
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ひじか
ふりがな文庫
“
肱掛
(
ひじか
)” の例文
途中から乗った学生とも職工ともつかぬ男が、ベンチの
肱掛
(
ひじか
)
けに腰をおろして周囲の女生徒にいろんな冗談を言って笑わしていた。
写生紀行
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
翌日、例の下の
室
(
へや
)
にはいってゆくと彼は一種の
戦慄
(
せんりつ
)
を感じた。
肱掛
(
ひじか
)
け
椅子
(
いす
)
は二つともなくなっていた。普通の椅子さえ一つもなかった。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
小肥
(
こぶと
)
りに肥った丸顔の木元主任は、葉子を大きい
肱掛
(
ひじか
)
け椅子に腰かけさせた。彼は初めて見る葉子の美しさに魅せられた形で
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
建て付けの悪い
肱掛
(
ひじか
)
け窓の戸を洩れて、冷たい夜風が枕もとの破れた
行燈
(
あんどう
)
の灯をちろちろと揺らめかせている。信州の秋は早いので、壁にはこおろぎの声が切れぎれにきこえる。
半七捕物帳:38 人形使い
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
破れた
肱掛
(
ひじか
)
け
椅子
(
いす
)
が一つ、トゥーサンの荷物がいっぱいのせてある椅子が数個、それきりだったが、後はそれでも心地よい
室
(
へや
)
だと思った。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
▼ もっと見る
下駄
(
げた
)
をぬいで、クションの上に坐り、
肱掛
(
ひじか
)
けに突っ伏しているうちに、疲れが出てうとうとと眠った。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
朝十時の奏楽のときに
西村
(
にしむら
)
氏がそばへ来て楽隊のスケッチをしていた。ボーイがリモナーデを持って来たのを寝台の
肱掛
(
ひじか
)
けの穴へはめようとしたら、穴が大きすぎたのでコップがすべり落ちて割れた。
旅日記から
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
彼は非常な努力をして、テーブルと古い
肱掛
(
ひじか
)
け
椅子
(
いす
)
とを暖炉のそばに引き寄せ、テーブルの上にペンとインキと紙とをのせた。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
やがて彼は
肱掛
(
ひじか
)
け
椅子
(
いす
)
から身をふりもぎ、九十一歳の老年に能う限りの早さで扉の所に駆け寄り、扉を開き、そして叫んだ。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
しかし二つの
肱掛
(
ひじか
)
け
椅子
(
いす
)
は、室の端の
扉
(
とびら
)
の近くに並んでいた。「どういうわけだろう?」とジャン・ヴァルジャンは考えた。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
綴紐
(
とじひも
)
のついた
肱掛
(
ひじか
)
け
椅子
(
いす
)
が並び
帷
(
とばり
)
がかかってる大きな客間よりも
藁椅子
(
わらいす
)
をそなえた小さな小屋の方が好ましかった。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
肱
漢検準1級
部首:⾁
8画
掛
常用漢字
中学
部首:⼿
11画
“肱掛”で始まる語句
肱掛椅子
肱掛窓