肉匙フォーク)” の例文
先生はやがて肉刀ナイフ肉匙フォークを中途で置いた。そうして椅子を立ち上がって、書棚の中から黒い表紙の小形の本を出して、そのうちの或頁あるページを朗々と読み始めた。
胃が痛いので肉刀ナイフ肉匙フォーク人並ひとなみに動かしたようなものの、そのじつは肉も野菜も咽喉のどの奥へ詰め込んだ姿である。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
食卓は、人数にんずが人数だけに、さ程大きくはなかった。部屋の広さに比例して、寧ろさ過ぎる位であったが、純白な卓布を、取り集めた花でつづって、その中に肉刀ナイフ肉匙フォークの色がえて輝いた。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
お延はすぐ肉匙フォークの手を休めた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)