聴手きゝて)” の例文
旧字:聽手
僕は聴手きゝての顔を見ないやうにしてゐた。さうかといつて窓の外を見てゐると、表へ飛びだしたくなるに極つてゐる。眼のやり場に困つて、歌ひ手の口を見つめてゐた。僕は、はツとして、眼を伏せた。
世界人情覗眼鏡 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
可楽からくが出るやうになつてから、一トきは聴手きゝてえたとくらゐ
落語の濫觴 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)