老人おいびと)” の例文
大伴家持が長歌の一節に、「老人おいびと女童児をみなわらはも、が願ふ、心たらひに、撫で給ひ、治め給へば」
君臣相念 (新字旧仮名) / 亀井勝一郎(著)
実に甲斐のない、まことにつまらないという程の語である。「わらは」は童男童女いずれにもいい、「老人おいびと女童児をみなわらはも、が願ふ心だらひに」(巻十八・四〇九四)の例がある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
二人の老人おいびと娘と共に恙もあらで到り着きぬれば、うれしさ譬へむに物なかりき。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
老人おいびとのその眼に小さき愛鷹はしたかと見え来む我か山は飛び越ゆ
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
そは老人おいびとの振舞に
イづなに枉言たはこといまさら小童言わらはごとする老人おいびとにして 〔巻十一・二五八二〕 作者不詳
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)