群鴉ぐんあ)” の例文
下巻は浅草観音堂の屋根に群鴉ぐんあ落葉らくようの如く飛ぶ様を描き、何となく晩秋暮鐘のさびしきを思はせたるは画工が用意の周到なる処ならずや。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
同時に老女の水瀬、侍女こしもとの懐剣も、御方の身を護って重左を防いだ。一方では群鴉ぐんあに似たる黒装束が再びせきを切ってこんがらとせいたかを対手に火を降らして斬り結ぶ。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
年暮れて冬寒く、群鴉ぐんあ何の行く所ぞ! 魂の家郷を持たない芭蕉。
郷愁の詩人 与謝蕪村 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
群鴉ぐんあが、黒く飛んでいた。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)