繞石ぜうせき)” の例文
二人ふたりで何を話したかも覚えず、たゞ繞石ぜうせき君のしばらく散髪をしないらしい頭と莞爾にこ/\して居た顔とが目に残つて居るばかりである。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
繞石ぜうせき君に逢はうとは思ひけなかつたので、を開けて這入はひつて来たのも、少時しばらく話したあとくねつた梯子段を寒い夜更よふけに降りてつたのも芝居の人物の出入りの様な気がしてならなかつた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)