網島あみじま)” の例文
彼は義太夫の「てん網島あみじま」は巣林子そうりんしの原作でなく、半二か誰かの改作であるのをぼんやり記憶していたが、きっとこの文句は原作の方にあるのだろう
蓼喰う虫 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「敵国航空軍とおぼしき約十数機よりなる飛行隊は、本町ほんちょう上空を一万メートルの高度をとって、午後九時五十分、北北西に向け飛行中なり。以上。川口町防空隊長、網島あみじま少尉」
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
子を捨ててまで、それもかなりに大きくなった娘たちを残して、一家の主人が心中する——近松翁の「てん網島あみじま」は昔の語りぐさではなく、彼女たちにはまざまざと眼に見せられた父の死方である。
明治美人伝 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)