絶命ことき)” の例文
「はい。」と文彦は側に打ち仆れている助手の杉田を抱き起して見ると、もうすでに絶命こときれて身体は氷のように冷え切っている。
月世界競争探検 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
隊士はたおれた。お千代は仰天し、走寄って介抱したが、もう絶命こときれていた。
甲州鎮撫隊 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
と云っている内におくのは絶命こときれましたから、茂之助は只呆然ぼんやりして暫く考えて居ましたが、ふら/\ッと起上たちあがって、自分の帯を解いてへっついかどから釜の蓋へ足を掛けて、はりへ二つ三つ巻きつけ
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)