終宵よもすがら)” の例文
大至急の手紙には如何いかなる事を言来いいきたりけん、大原はその夜終宵よもすがら懊悩おうのうしてもやらず、翌日も心のくるしみに堪え難くてや起きも上らで昼過ぐるまで床の内にあり。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
私はどうしても寝つかれない兄さんの耳に、さかんな鼾声いびき終宵よもすがら聞かせたのだそうです。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)