“紙切小刀”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かみきりこがたな66.7%
ペエパアナイフ33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かたわらには幅の広いへらのような形をした、鼈甲べっこう紙切小刀かみきりこがたなが置いてある。「又何か大きな物にかじり附いているね。」こう云って秀麿の顔を見ながら、腰を卸した。
かのように (新字新仮名) / 森鴎外(著)
陳は太い眉をしかめながら、忌々いまいましそうに舌打ちをした。が、それにも関らず、くつかかとを机のふちへ当てると、ほとんど輪転椅子の上に仰向けになって、紙切小刀かみきりこがたなも使わずに封を切った。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
彼の前には読みかけた書物が、象牙ぞうげ紙切小刀ペエパアナイフを挟んだまま、さっきからちゃんと開いてあった。が、今の彼には、その頁に詰まっている思想を咀嚼そしゃくするだけの根気がなかった。
路上 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)