紅涙こうるい)” の例文
兄孫権の手紙を読むうちに、もう紅涙こうるい潸々さんさん、手もわななかせ、顔も象牙彫ぞうげぼりのように血の色を失ってしまった。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ことに先刻さっきの無念にはらはらと流した一滴の紅涙こうるいのあとだから、このにやにやがさらに目立って見えた。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
雪江さんの紅涙こうるいのごときはまさしくその現象の一つである。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
友情一片の真言も、紅涙こうるいえん閨語けいごにはまさらずして仇なる事
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)