紅枝垂べにしだれ)” の例文
花を見るにはかえって好都合で、平安神宮の紅枝垂べにしだれの美しさがこんなにしみじみとながめられたことはなく、人々が皆物静かに、衣裳いしょうなども努めて着飾らぬようにして
細雪:03 下巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
神門を這入はいって大極殿だいごくでんを正面に見、西の廻廊から神苑に第一歩をみ入れた所にある数株の紅枝垂べにしだれ、———海外にまでその美をうたわれていると云う名木の桜が、今年はどんな風であろうか
細雪:01 上巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)