糸杉サイプレス)” の例文
旧字:絲杉
それはすばらしく大きな糸杉サイプレスで、幹の周囲が百二十六フィート、樹齢はごく内輪に見積っても、まず六千年は請合だと言われている。
艸木虫魚 (新字新仮名) / 薄田泣菫(著)
糸杉サイプレスの梢に巣をくむふくろうは灯の光りにおどろいて飛び立ち、灰色のつばさを提灯のガラスに打ち当てながら悲しく叫びます。野狐も闇のなかに遠くいています。
高く蔭多くそだてたもうた多くの名だたる木のうち何の実もつけない糸杉サイプレスをのぞいてはどれも azad すなわち、自由なもの、といわれるものは一つもない。
ないでしょう、ね、ないでしょう?——さあ、これを持ってらっしゃい、糸杉サイプレスで作ったものよ。わたしにはまだ真鍮しんちゅうのが残ってますの、リザヴェータのくれたのが。
ソーニャは無言のまま箱の中から糸杉サイプレスのと真鍮しんちゅうのと、二つの十字架を取り出した。そして自分も十字を切り、彼にも十字を切ってやった後、その胸へ糸杉サイプレスの方をかけてやった。
これはつまり、僕が十字架の苦しみを背負うという象徴シンボルだね、へ、へ! まるで僕が今までに、苦しみ方が足りなかったとでもいうようだね! 糸杉サイプレスのは、つまり民間に行なわれるものなんだね。