糸巻いとま)” の例文
旧字:絲卷
それから、おばあさんは、女の子の手からいずみのなかへすべりおちた糸巻いとまきもかえしてくれました。そのとき、門がしまりました。
いもうとは、うたにもあきてくると、ふところから、あか糸巻いとまきをして、そのいといて、ぎんぼうみはじめていました。ぎんぼうひかりにきらきらとひらめきました。
灰色の姉と桃色の妹 (新字新仮名) / 小川未明(著)
女の子は糸巻いとまきをだらけにするために、じぶんの指をつきさして、手をイバラのかきのなかにつっこみました。
糸巻いとまきが血だらけになりましたので、女の子はいずみにかがみこんで、糸巻きをきれいにあらおうとしました。ところが、糸巻きは女の子の手からするっとすべって、泉のなかにおちてしまいました。