糠屋ぬかや)” の例文
次の日の明けたる時、家の鶏ばたきして、糠屋ぬかやすみ見ろじゃ、けけろとく。はてつねに変りたる鶏の啼きようかなと二親ふたおやは思いたり。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
なるほど、六樹園大人は小伝馬町の名だたる旅亭りょてい糠屋ぬかやのおん曹子ぞうし、生涯衣食に窮せぬ財を擁してこそ、はじめて文学道の何のときいた風な口がきけやす。
仇討たれ戯作 (新字新仮名) / 林不忘(著)
次の日夜の明けたる時、家の鶏羽ばたきして、糠屋ぬかやの隅ツ子見ろぢや、けけろと鳴く。はて常に変はりたる鶏の鳴きやうかなと二親は思ひたり。
遠野物語 (新字旧仮名) / 柳田国男(著)