糠喜ぬかよろこ)” の例文
しかしそれは糠喜ぬかよろこびで、五羽の鷹は五羽ながら、投げられたように弾き飛ばされ、空をキリキリ舞いながら枯れ草の上へ落ちて来た。
大鵬のゆくえ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
事実、それは米友の糠喜ぬかよろこびではありませんでした。お雪ちゃんは刻々に、著しく元気を恢復かいふくして行くことがありありとわかります。
大菩薩峠:36 新月の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
だが、それは糠喜ぬかよろこびであつた。原氏は夕方宿へ着くと、こつそり高橋氏を陳列所にやつた。そして態々わざ/\くだんの鯛の刳盆を買ひ取らせて来た。
「詰まらない! 糠喜ぬかよろこびをさせやがった」
求婚三銃士 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)