糊目のりめ)” の例文
うまくつは作っていても登城して来た六名は糊目のりめ正しい衣服を着、大小も皆、それぞれ、ふさわしいのを差していた。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いつになく糊目のりめのついた式服すがたの武蔵。美々しい螺鈿らでんの鞍など——さては今日のうち登城もすみ、首尾も上々に、就任の沙汰はきまったものと、権之助は早のみこみして
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
お扶持だけでは過ごしてゆけず、町医だけでも立ってゆかず、両天をかけてどうやら雀羅じゃくらだけを張らないでいる外科医者の門前に、糊目のりめ正しいかみしも供侍ともざむらいがズラリとうずまったところはまことに奇観です。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)