精神上せいしんじょう)” の例文
精神上せいしんじょうからみると、まことに無意味むいみ浅薄せんぱくな結婚であったけれど、世間せけんの目から羨望せんぼうの中心となり、一近郷の話題わだいの花であった。そして糟谷夫婦かすやふうふもたわいもないゆめうておった。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
花前は一めんあわれむべき人間には相違そういないが、主人も花前を見るにつけ、みずからかえりみると、確信かくしんなきわが生活の、精神上せいしんじょうにその日暮ひぐらしであるずかしさをうち消すことができなかった。
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)