粗目あらめ)” の例文
床には粗目あらめのズックようのものが敷いてあって、その上に不用な調度類が、白い埃を冠ってうず高く積まれてあった。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
三幕目には客間の一部分丈けが開いてゐて、他は何か黒つぽい、粗目あらめの掛布のかけてある屏風で隱されてあつた。
具足は、馬の皮の裏をわざと表につかって、それへうるしをかけた物であるから、粒漆つぶうるし粗目あらめに出て、渋い好みであった。それを浅黄色の木綿糸でおどしたのを着ていた。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこには、姉妹の室で見たと同じ採光窓あかりとりが床にあいていて、その上を太い粗目あらめの金網で覆うてあった。
聖アレキセイ寺院の惨劇 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)