粒選つぶよ)” の例文
粒選つぶよりの仲居たちで、たいていもう馴染なじみであったが、そのなかの一人が、保馬の顔を見てあっと声をあげ、袂でさっと顔をおおった。
いしが奢る (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「種も粒選つぶよりであったし、日もよかったし、気分もすぐれていたし、それにここの畑土は肥えているのだ。三拍子も四拍子も揃っていたからだな。」
荒木勢とはいえ、あの村重の家臣とはいえ、ここまで籠城を堅持し、「城と共に」の義を捨てなかった者だけに、いわば粒選つぶよりのごうものどもであった。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
駕籠だけを飛ばせ、仕出しはゆるゆる後から練って行こうという寸法、韋駄天いだてんのような粒選つぶよりの若い者に担がせた五挺の駕籠は、江戸の街の宵霜よいしもを踏んで
鵠沼でもその浜はブルジョワ地帯で、青年も令嬢たちも粒選つぶよりの洒落者しゃれもの揃いだったが、その中でも志津子の美しさは群を抜いているので
海浜荘の殺人 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
駕籠だけを飛ばせ、仕出しはゆるゆる後から練って行こうという寸法、韋駄天いだてんのような粒選つぶよりの若い者に担がせた五挺の駕籠は、江戸の街の宵霜よいしもを踏んで