筒服つつっぽう)” の例文
煙草入たばこいれ股引ももひきへ差し込んで、上から筒服つつっぽうの胴をかぶせた。自分はカンテラをげて腰を上げた。安さんが先へ立つ。あなは存外登り安かった。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
手拭てぬぐいかぶって、わらを腰に当てて、筒服つつっぽうを着た男が二三人、向うの石垣の下にあらわれた。ちょうど昨日きのうジャンボーの通った路を逆に歩いて来る。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
夕暮の門口かどぐちのぞいたら、一人の掘子ほりこがカンテラの筒服つつっぽうの掃除をしていた。中は存外静かである。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)