笹屋ささや)” の例文
「金兵衛さん、その事なら笹屋ささやの庄助さんが出かけましたよ。あの人は作食米さくじきまいの拝借の用を兼ねて、福島の方へ立って行きましたよ。」
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
笹屋ささやのお松が三輪みのわの親分に縛られたんですよ」
そこは馬籠まごめの町内から万福寺の方へ通う田圃たんぼの間の寺道だ。笹屋ささや庄助しょうすけと小笹屋の勝之助の二人が半蔵を見かけて、声をかけた。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
石屋の坂を登りきったところで、平兵衛は上町の方から降りて来る笹屋ささや庄助しょうすけにあった。庄助は正直一徹な馬籠村の組頭くみがしらだ。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
組頭くみがしら笹屋ささや庄兵衛しょうべえはじめ、五人組仲間、その他のものが新茶屋に集まったのは、この人の帰国を迎えるためであった。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
そのうちに年寄役伏見屋の伊之助も戸をあけてそこへ顔を出す。組頭くみがしら笹屋ささや庄助も下町の方から登って来る。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
場処は蓬莱屋ほうらいや。時刻は七つどき。食い手は吉左衛門と金兵衛の二人。食わせる方のものは組頭くみがしら笹屋ささや庄兵衛しょうべえ小笹屋こざさやの勝七。それには勝負を見届けるものもなくてはならぬ。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
戊辰ぼしんの際に宿役人に進んだ亀屋かめや栄吉をはじめ、旧問屋九郎兵衛、旧年寄役桝田屋小左衛門ますだやこざえもん、同役蓬莱屋ほうらいや新助、同じく梅屋五助、旧組頭くみがしら笹屋ささや庄助、旧五人組の重立った人々
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
おれは今まではたけにいたが、餅草もちぐさどころじゃあらすか。きょうのお通りは正五しょういつどきだげな。殿様は下町の笹屋ささやの前まで馬にっておいでで、それから御本陣までお歩行ひろいだげな。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「そりゃ、半蔵さん、笹屋ささやだって知りますまい。あれで笹屋は自分で作る方の農ですから。」
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)