おひ)” の例文
もう遠く、行つてしまつたことゝ、おもつてゐたおひづるのおぢいさんが、また、やつてきたのでありました。
さがしもの (新字旧仮名) / 土田耕平(著)
芭蕉の『おひ小文こぶみ』を讀むものは、あの中に鑑眞和尚のことに關した記事を見つけるであらう。
桃の雫 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
おろしおくおひになゐふる夏野かな
俳人蕪村 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
文吉は、いつさんに、そのあたたかい光の方へけて行つて、岩の出鼻をまがつたとき、どんとぶつかつたものがありました。それはおひづるを背負うた、一人のおぢいさんでした。
さがしもの (新字旧仮名) / 土田耕平(著)
そのおひづる姿が、むかうのみさきのはしにかくれるまで。
さがしもの (新字旧仮名) / 土田耕平(著)