竹柏なぎ)” の例文
櫟は月曜日の午前、魂の張切つた一瞬に産み落したものらしい。竹柏なぎは夕暮の歌であらう。馬酔木は折節の独り言かも知れぬ。
森の声 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
手水鉢ちょうずばちの向うの南天と竹柏なぎの木とにだいぶ積って、竹柏の木の方は飲み過ぎたお客のように、よろけて倒れそうになっていた。
心中 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
竹柏なぎの葉を採つて歸り、稻荷山に登つた者が、杉の小枝を翳して下ると云ふ風習は古くからの事であるが、神靈と人間の靈魂とは一つに論ずる事が出來ぬと云ふならば、今一つの著しい例は
幽霊思想の変遷 (旧字旧仮名) / 柳田国男(著)
我が園と眺め足らはす竹柏なぎの園牡丹の花も咲きて明るき
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
竹柏なぎの葉と木蘭もくれんの葉の影交し月は隣のの上に來ぬ
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
竹柏なぎをゆきかへる小春日和こはるびより
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
竹柏なぎの葉と木蘭もくれんの葉の影交し月は隣のの上に来ぬ
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
竹柏なぎの間をゆきかへる小春日和を
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
竹柏なぎ老木おいきは、おびれの
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
竹柏なぎの老木は寢おびれて
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)