竹光たけみつ)” の例文
このいぶかしかった若武者むしゃこそは、これぞ余人ならず、今江戸八百八町において、竹光たけみつなりとも刀差す程のものならばその名を知らぬ者のない
「こういうときア、痩せても枯れてもお侍だ。竹光たけみつでもいいから一つ威勢よく引っこぬいて、先に立っておくんなせえ」
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
そして、先夜の佩刀はいとうを取りよせ、抜いて、上皇のお目にかけた。それは、銀泥ぎんでいを塗った竹光たけみつであったのである。
恋というのは刀と刀とを合せて火花の散るようなものよ、正宗まさむねの刀であろうと竹光たけみつのなまくらであろうと、相打てばきっと火が出る、一方が強ければ一方が折れる分のことだ。
大菩薩峠:08 白根山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「平次、狸穴まみあなまで行つて見ないか、竹光たけみつで武家が一人殺されたんだが——」
「平次、狸穴まみあなまで行ってみないか、竹光たけみつで武家が一人殺されたんだが——」