童謡わざうた)” の例文
旧字:童謠
上宮王家へのひそかな思慕と愛惜の声が、ちまたにみちていたであろうことは、書紀にしるされた童謡わざうたによってもうかがわるる。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
わらべ達の謡う愛らしい童謡わざうた旋律せんりつと、時折さびしげに鳴く山鴿の鳴声が、微妙に入り交り、織りなされ、不可思議な「夢幻」の諧調となって
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
あれは童謡わざうたではない。…………どうやらあれは…………どうやら…………あ、さうさう! うつかり忘れてゐたわい。
春泥:『白鳳』第一部 (新字旧仮名) / 神西清(著)
節ぶりから察するところ、去年の暮あたりからまた流行りだした例の童謡わざうたと見える。声はだんだん近くなつた。
春泥:『白鳳』第一部 (新字旧仮名) / 神西清(著)
ふと、遠くの竹林の中から、まるでざわめく風の中からでも生れたかのように、わらべ達の合唱する童謡わざうたが、美妙な韻律いんりつをひびかせながら、だんだんと聞えて来る。………
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
さる口軽な男がたくみに童謡わざうたにうたひこんだやうに、ただの「柩がへり」だつたやうにも思はれてくる。
春泥:『白鳳』第一部 (新字旧仮名) / 神西清(著)
わらべ達のうた童謡わざうたがだんだんと明瞭に聞えて来る。………
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)