“立退場”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たちのきば75.0%
たてのきば25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ただいざとならない以上はもどる気がしない。いわば立退場たちのきばのようなものである。三四郎は脱ぎ棄てた過去を、この立退場の中へ封じ込めた。
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その人は箕作の親類で、私は兼て知て居るから、呉の処に行てどうかしばら此処ここ立退場たちのきばを頼むと相談も調ととのい、愈よ青山の方と思うて荷物は一切こしらえて名札を付けて担出かつぎだばかりにして
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
いくら猛烈に怒っても、いくらひいひい泣いても、怒りが行き留りではない、涙が突き当りではない。奥にちゃんと退がある。いざとなれば此立退場たてのきばへいつでも帰られる。
高浜虚子著『鶏頭』序 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)