“稲目（いなめ）” の例文
旧字：稻目
蘇我氏は、稲目（いなめ）、馬子（うまこ）、蝦夷（えみし）、入鹿（いるか）の四代を通じ、いずれも、優れた統治者であったものと判断するのが合理的である、と私は考える。
天皇：誰が日本民族の主人であるか (新字新仮名) ／ 蜷川新(著)
中央集権は主として屯倉（みやけ）（直轄地）の設置によって行なわれた。大伴の金村（かなむら）にしても、蘇我の稲目（いなめ）や馬子（うまこ）にしても、この屯倉の設置には熱心に努力しているのである。
日本精神史研究 (新字新仮名) ／ 和辻哲郎(著)
系譜をみても明らかなごとく、欽明（きんめい）天皇より太子に至るまでの皇室には、蘇我一族の血統が最も親しくむすばれている。武内宿禰（たけのうちすくね）以来の名門として稲目（いなめ）が輔弼（ほひつ）の大任を背負ったことも無視出来ない。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) ／ 亀井勝一郎(著)
まえに述べたように、それは、三代六十年にわたるのであって、明治、大正、昭和の三代と、ほとんど同じ期間の事業である。稲目（いなめ）をくわえれば、八十年におよぶのである。
天皇：誰が日本民族の主人であるか (新字新仮名) ／ 蜷川新(著)
そのときに、時の大臣の蘇我稲目（いなめ）は、「もちろんのことであります。」と答えた。
天皇：誰が日本民族の主人であるか (新字新仮名) ／ 蜷川新(著)