種蒔たねま)” の例文
上目黒へ移ってから三年目の夏が来るので、彼岸ひがん過ぎから花壇の種蒔たねまきをはじめた。旧市外であるだけに、草花類の生育は悪くない。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
千葉県の農村などは苗代なわしろ種蒔たねまき日に、子どもは焼米袋やきごめぶくろというのをこしらえてもらって首にかけて村中をもらいあるいた。
こども風土記 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
ものぐさ百姓ひゃくせうがあるあさ、めづらしく早起はやおきして、はたけ種蒔たねまきをしてゐました。それを頬白鳥ほゝじろがみつけて
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
目黒へ移ってから三年目の夏が来るので、彼岸過ぎから花壇の種蒔たねまきをはじめた。旧市外であるだけに、草花類の生育は悪くない。
我家の園芸 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
種蒔たねまきと苅掛かりかけの日の焼米やきごめだけは、まだ型ばかりは残ってもいるが、生米なまごめをつかんで口に入れるようなことは、生米むべからずという戒めが無くとも、もう田舎いなかでも見ることが稀になった。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)