硝子屋ガラスや)” の例文
家主やぬし硝子屋ガラスやへは出放題の事を言って、間代まだいの残りも奇麗に払い、重吉は荷物の半分を新橋駅しんばしえきの手荷物預り処に預け
ひかげの花 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
硝子屋ガラスやの前にながめし
一握の砂 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「中島さん、どなたか見えましたよ。」とその時硝子屋ガラスやのおかみさんの声がしたので、重吉は梯子段はしごだんを三、四段降りながら下をのぞくと、昨日の午後溜池ためいけの角で出逢であったかの玉子である。
ひかげの花 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「じゃ、偽名は橘にしよう。下の家主さんへもそう言って置くぜ。それからちょっと芝の家へ電話をかけて見よう。」重吉は階下したの電話を借りて、今朝方けさがたまでいた硝子屋ガラスやへ様子を聞合ききあわすと
ひかげの花 (新字新仮名) / 永井荷風(著)