石印せきいん)” の例文
殊に函入はこいりの『源氏物語』や上海シャンハイ版の函入の石印せきいん本などが馬鹿に光って無知な書生ッぽの私を驚かした。
美妙斎美妙 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
銅印どういんが一つ、石印せきいんふたつ、ペン皿に代へた竹の茶箕ちやき、その中の万年筆、それからぎよく文鎮ぶんちんを置いた一綴りの原稿用紙——机の上にはこのほか老眼鏡ろうがんきやうが載せてある事も珍しくない。
漱石山房の秋 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
銅印どういんが一つ、石印せきいんふたつ、ペン皿に代へた竹の茶箕ちやき、その中の万年筆、それからぎよく文鎮ぶんちんを置いた一綴ひとつづりの原稿用紙——机の上にはこのほか老眼鏡らうがんきやうが載せてある事も珍しくない。
東京小品 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
なかば古玩たるにもせよ。)唯近人の作品中、「越哉ゑつさい」及び「鳳鳴岐山ほうめいきざん」と刻せる浜村蔵六はまむらざうろく石印せきいんのみはいささか他に示すに足る古玩たるに近からん。わがの古玩に乏しきは正にかみしるせるが如し。
わが家の古玩 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)