知県ちけん)” の例文
旧字:知縣
知県ちけん様はやっぱり元の位置にいて何か名目が変っただけだ。挙人老爺は何になったか——これ等の名目は未荘の人には皆わからなかった。
阿Q正伝 (新字新仮名) / 魯迅(著)
知県ちけんは、彼を白洲へ曳き出して、調書一切を読み聞かせ、さらに次の通り言い渡した。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
みん代のことである。帰安きあん県の知県ちけんなにがしが赴任してから半年ほどの後、ある夜その妻と同寝していると、夜ふけてその門を叩く者があった。知県はみずから起きて出たが、暫くして帰って来た。
すでに町中は坩堝るつぼのような騒ぎである。知県ちけんの役署でも、はや獅子橋畔ししきょうはんの事件は知っていたし、刑事役人は、諸方へ飛んでいたことだから、手順、取調べなども、なに一つさしさわりはない。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼等は——知県ちけんに鞭打たれたことがある。紳士から張手はりでくらったことがある。小役人からかかあを取られたことがある。また彼等の親達が金貸からとっちめられて無理死むりじにをさせられたことがある。
狂人日記 (新字新仮名) / 魯迅(著)