矢瘡やきず)” の例文
関羽が左のひじ矢瘡やきずは、いまは全く癒えたかに見えるが、その手に偃月えんげつの大青龍刀を握るのは、病後久しぶりであった。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
矢瘡やきずはまだ完く癒えたとはいいきれない。わけて老来病後の身である。危ういこと実に見ていられない。わけて親子の情に駆らるる関平に於てをやだ。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あわれよくもこの珠の如きものに矢瘡やきずひとつ受けずにと……われを忘れて見入りかけたが、何思ったか
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ははは。わしの矢瘡やきずを案じてか。——案ずるなかれ。これしきの瘡に何で、関羽が屈するものか。また何で天下の事を廃されようぞ。あすは陣頭に馬をすすめ、樊城を
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、軍医を呼んで、中軍の帳の内に横たえてある周瑜の矢瘡やきずを手当させた。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
矢瘡やきず槍瘡やりきず、すでに手がきかない。急ぐほど、手はみだれる。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「喉の矢瘡やきずはどうした?」
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)