“矢交”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
やつが50.0%
やま50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
とばかり、騎馬の数人はすぐ鹿追しかおい構えに矢交やつがえをそろえて、猛然と、天皇たちへ向って驀進ばくしんして来た。——その矢ジリは、明らかに天皇のお眼にも映っていたはずである。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼らは、近づくやいな、もうったも同様な獲物と眺めながら、ゲラゲラ笑い合って、矢交やつがえをはずし、すぐ追ッついて来た徒歩かちの兵どもへ、馬上からあららかに命じていた。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
浅野又右衛門の弓隊は、そこの本陣からやや離れた山陰やまかげの腹にかたまっていた。弓之衆ゆみのしゅうの一隊ではあるが、今日の合戦に、矢交やまぜの戦いなどはないと見越して、みな槍を持っていた。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)