矢交やつが)” の例文
とばかり、騎馬の数人はすぐ鹿追しかおい構えに矢交やつがえをそろえて、猛然と、天皇たちへ向って驀進ばくしんして来た。——その矢ジリは、明らかに天皇のお眼にも映っていたはずである。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼らは、近づくやいな、もうったも同様な獲物と眺めながら、ゲラゲラ笑い合って、矢交やつがえをはずし、すぐ追ッついて来た徒歩かちの兵どもへ、馬上からあららかに命じていた。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)