“真帆”の読み方と例文
旧字:眞帆
読み方割合
まほ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
大空くまなく晴れ都の空は煤煙ばいえんたなびき、沖には真帆まほ片帆かたほ白く、房総の陸地くがじあざやかに見ゆ、す日影、そよぐ潮風、げに春ゆきて夏来たりぬ、楽しかるべき夏来たりぬ
おとずれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
高輪の湊屋みなとやと云う船宿から真帆まほを上げて参りますと、船は走りますから横須賀へ着きましたのは丁度只今の二時少々廻った頃、それから多度村たどむらへ出てなだれを下りてくと鎌倉へ出る
先に帆襖ほふすまを作ってほとんど明石海峡をふさいでいるかと思われた白帆も、近よって見るとかしこに一ここに一帆というふうに、汪洋おうようたる大海原の中に真帆まほを風にはらませて浮んでいるに過ぎない。
別府温泉 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)